骨盤の解剖

2016年10月20日b骨盤

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骨盤の構成する骨

 

骨盤は1つの骨ではなく、寛骨・仙骨・尾骨でできていて、さらに寛骨は腸骨・坐骨・恥骨の集まった骨です。

 

仙骨と尾骨は骨盤の中に含まれてはいますが、元々は脊柱の仲間です。

 

そして仙骨と腸骨の間には、仙腸関節という小さい動きをする関節があり、

 

この部分は腰痛やゆがみをとても関わり合いが深い関節です。

 

骨盤は男性と女性では少し形状が違っていて、男性は細く深い形で、女性は浅く広い形で妊娠や出産に適応する形です。

 

男性:恥骨下角が鋭角50度〜60度・骨盤底が狭くハート形

 

女性:恥骨下角が鈍角80度~85度・骨盤底が広く横の楕円型

 

股関節骨盤の動き

 

骨盤は座った状態では、坐骨(座る骨)が固定されているので大きな動ではなく、数ミリ程度の小さな動きになります。

 

立った状態では少しわかりやすくて、反る(後傾)、前屈み(前傾)、側屈(片方が挙上すると片方は下制)、ねじり(回旋)が行われます。

 

これら骨盤の小さい動きは、股関節・膝関節・脊柱に連動しておこります。

 

骨盤の小さな動きが何かしらの原因で制御されてしまうと全身でカバーするので、どこかしらに負担がかかります。

 

逆に、全身のどこか一部がロックされると、骨盤にも負担がかかります。

 

骨盤が治療に万能というわけではありませんが、連鎖して動くために骨盤が良好に保つことができれば、とても運動が楽になります。

 

例:一歩足を出す動きは足関節背屈(反らす)、膝関節伸展(伸ばす)、股関節屈曲(曲げる)骨盤後傾(反る)、腰椎後弯(反る)

 

骨盤が構成する関節は、第五腰椎と仙骨の腰仙関節、仙骨と腸骨の仙腸関節、恥骨同士の関節恥骨結合、そして股関節です。

 

これらは全て重要ですが、もっとも重力がかかるのが、股関節です。

 

股関節は膝関節とも深いかかわりがあり、膝関節が硬くなると股関節にダメージが来ます。

 

これは大腿四頭筋とハムストリングスが2関節筋という股関節と膝関節という2つの関節をまたぐという関係から影響しています。

 

大きな筋肉でもある大腿四頭筋とハムストリングス(大腿二頭筋と半腱半膜様筋)を柔軟にしていることで股関節症・膝関節症はもちろん、骨盤の動きや腰の状態も楽になります。

 

股関節を曲げる:膝関節を曲げていると楽に曲がる

 

股関節を伸ばす:膝関節を伸ばしていると楽に曲がる

 

股関節に関わる23もの筋肉で、最も重要と言われるインナーマッスルが腸腰筋です。

 

この腸腰筋は大腰筋小腰筋腸骨筋3つの筋肉の総称で、普段は関節を固定する役割ですが、

 

股関節の屈曲角度が90度を超えると腸腰筋のみが屈曲に作用します。

 

腰が丸まっている人は腸腰筋が硬くなって作用しづらくなっているので、腸腰筋をストレッチする必要があります。

 

股関節は前後方向や外側の動きをすることがよくあります。

 

ですが、内側に力を入れることが少ないため、内転筋群が弱ることが多く、

 

トレーニングでは内転筋群を鍛えることが脚腰の動きが楽になるポイントです。

 

骨盤の姿勢

 

人間の身体の重心は骨盤の中にあります。

 

ポイントでいうと仙骨(第二仙椎)の少し前にあり、骨盤形状で女性の方が男性よりもやや低いです。

 

もちろん音など子供では違いますし、年齢とともに変化していきます。

 

ここで注意してほしいのは、解剖学体に骨盤の中に体重の中心である重心が骨盤の中にありますが、

 

歩くときは骨盤から動くよりももう少し上の臍の上くらいから脚が動きだすイメージの方が軽く歩けます。

 

これは整体的な考えで、股関節につく最も上にある筋肉大腰筋(腸腰筋の1つ)が第12胸椎から始まるからです。

 

これについては、別枠でお話ししたいと思います。

 

さて骨盤というとよく「ゆがんでいる」と表現されます。

 

骨盤の関節は動きますが、動きはとても小さいです。

 

見た目に歪んで見えるのは骨盤周囲のゆがみがほとんどです。

 

身体の使い方に癖がある為、前後左右の筋肉がアンバランスになり、

 

身体の土台となる骨盤と柱となる脊柱背骨はゆがみを確認しやすいので整体では、要チェックとなるのです。

 

ですが、見た目だけにとらわれないで、わずかな骨盤関節そのものズレなどもしっかり見ていく必要があります。

 

特に仙骨と腸骨で構成される仙腸関節は垂直面の関節なので、ここが緩んでしまうと全身に力が入りにくくなります。

 

表現でいうと「腰が抜ける」ような状態の人は、仙腸関節を締めてあげる必要があります。

 

骨盤の歪みがあると、股関節も左右の高さや前後の位置にも狂いが出ます。

 

右脚で片足立ちに右の股関節には3倍もの力がかかってしまうと言われています。

 

というのも、単純に2本で支えていたのが1本になり、2倍ですが、水平バランスとるために、

 

左側の骨盤を引っ張る力必要なので、もちろん挙げた左脚の重みも増すので、3倍もの負担がかかるのです。

 

そこに前後上下にゆがみなどが生じているとその負担はさらに増してしまいます。

 

(ちなみに、身体の重要配分は頭が約4%・頚部3%・体幹胴体49%・両上肢9%・両下肢35%位になります。)

 

骨盤を水平保っていられない症状に、トレンデレンブルグ徴候というものがあります。

 

トレンデレンブルグ徴候は支える側中殿筋という筋肉が麻痺してしまい、右側の骨盤が上がり左側の骨盤が下がってしまう症状です。

 

例えば右脚で支えている時には、左側に骨盤が下がり肩も左側に下がってしまいます。

 

明らかな麻痺の場合は手術の適応になりますが、赤ちゃんの時に先天性股関節脱臼を発見して手術する場合が多いです。

 

整体に来る方の場合は、一見するとわからないのですが、

 

中殿筋を含めた脚を外へ挙げる筋肉外転筋群が硬かったりすると片足になった時に骨盤の水平が保てずゆがみが出る人が多いです。

 

この外転筋群をほぐすことで骨盤が水平に保たれて腰痛や股関節痛、歩行痛などが楽になる人がいます。

 

(トレンデレンブルグ徴候の反対で、片足立位において、立位してる脚側に骨盤と体幹が傾くものをドゥシャンヌ徴候といいます。)

 

いい姿勢には骨盤にある体の重心に軸が通る必要があります。

 

基準は、正面だと、鼻のてっぺん-みぞおち-へそ-恥骨結合-両膝の中心-両くるぶしの中心。

 

後ろからだと後頭骨のでっぱり(後頭隆起)-背中の出っ張り(椎骨の棘突起)-お尻の割れ目(臀裂)-両膝の中心-両くるぶしの中心。

 

横からだと、耳たぶ(耳垂)-肩の真横(肩峰)-大転子-外果(外くるぶし)のやや前

 

この基準からずれてくると、土台の骨盤股関節と柱の脊柱が修正しようとして姿勢が歪んできます。

 

ここだけ治せばよいというものでなく、全体的に診ていく必要があります。

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